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第七代同窓会長 
中森 勝之
(19期 昭和54卒)

 札幌第一高等学校にご入学された皆様、またご卒業される皆様、誠におめでとうございます。

 

 校訓でもある、目は高く、足は大地に、知情意体と、創立者、山口末一初代学校長の教えと精神に則り、今もこれからも勉強やスポーツにと、素晴らしい努力を日々重ねている生徒の皆さんを、卒業生として誇りに思い、同窓生を代表して敬意を表します。 また保護者の皆様におかれましては日頃より本会の事業ならびに母校へのご理解とご協力を賜り衷心より感謝申し上げます。

 

 私は19期(昭和54年卒)で柔道部O.Bの中森勝之と申します。昭和52年全日本体重別選手権北海道大会で優勝し、最年少で全国大会出場、その翌年には後にも先にも団体戦で全道優勝を果たしたのが強く思い出に残っており、我が人生を支えてくれた経験だと自負しています。

 私が人生の節目で困難に立ち向かうと必ず思い浮かぶのが高校時代の夏の道場です。 自らの肉体と精神をイジメぬいた結果として得たものは自分自身に対する自信であったり、仲間に対する信頼でした。 そんな体験をした自分がこんな困難に負ける訳がないという自負心でした。多分本当はあの夏より厳しい困難に直面していても、あの夏に勝る困難は今後もないのではと思っています。 そしてそんな原体験をしている人は全てにおいて強くでも、それは他人にとっては他愛もないものの場合が多いのです。

 

 さて、私たちの母校である札幌第一高等学校は今から63年前、昭和33年に当時北日本航空社長の高岡正夫氏を理事長、北海道立札幌南高等学校校長をご退職された山口末一先生を創立校長として、旧国立病院の跡地だった現在の場所に開校しました。本校開設の準備委員会は、札幌南高等学校の一室に設けられていたと聞いております。札一高の校章が南高のシンボルである六華をベースにその内側に四葉のクローバーを配したものです。 ここには南高を範とし、これを超える高等学校を創造しようとした山口先生のチャレンジの精神の顕れを見てとることができます。

 

 南高のシンボルに囲まれて燦然と輝く四葉のクローバーこそ、踏まれても踏まれても北の大地にしっかり根をはる雑草の強さを表しています。 それこそ山口先生が札一高の教育に託したものではないでしょうか。

  山口先生は偉大な教育者として、Head(知恵)、人を愛するHeart(心)、苦しい仕事にも自らの手で積極的に取り組んでいくHand(労)、心と体の調和のとれたHealth(健康)を兼ね備えた人材を育てたかったのです。 四葉のクローバーの葉の一枚、一枚は、その想いのこもった象徴なのです。 そして何事にも真剣に向かい合えば、大人も子供も人として成長していき、人間力を身につける事が出来、それは子供達の魂に刻み込まれるものだという確信だったと思います。

 

 振り返りますと沢山の恩師達は、私たちに人のあるべき姿は何かを伝えて頂いたと感じています。心を育ててくれました。ここに感謝の言葉をお伝えさせていただきます。

 

 今このコロナ禍の時代に、国内外に多難な問題を多く抱える現代こそ、山口イズムの札一高で学んだ若者達はこのような困難にも積極的に立ち向かってくれるものと信じています。

 

 私たちの後輩となる在校生達の育成に携わっておられる現在の教職員の皆様には、心からの感謝を申し上げるとともに、同窓会として退職教職員やPTA保護者と共に総力で応援し協力させていただくことを申し添えさせていただきます。

 

 最後になりましたが同窓の皆さん、人は真剣に汗を流した人達だけが持つ事の出来る特権があります。 それを皆さんが皆さんの環境から感じて、いずれ学びとってほしい願うと共に、私たちも沢山の感動を経験しいくつもハードルを越え、いつまでもこの母校の教えや精神、先人の心を忘れない卒業生でいたいと思います。 暑い夏になると私があの湿った道場を思い出す様に、いつか後輩の方達がこの学校を自分の場所として思い出す。そんな学校共生(きょういく)を望んでおり、またそんな学校になってくれたら嬉しいと願っております。



「薫風」札幌第一高等学校同窓会事務局
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