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このページでは機関紙「薫風」より記事を抜粋して紹介します。

柔道部O.B. 中森 勝之(19期 昭和54年卒)
 今から20年以上前の柔道部道場、私は先輩達から通称 “ シゴキ ” 稽古を受けていた。シゴキといっても実際はOB達が次々と稽古をつけ、休む暇なく宙を舞うというもので意地悪なOBにあたらない限り、受け身をうまくとっておけば、さほど辛い事はない。

 そして、その夏は全道大会で団体優勝を果たし、柔道部始まって以来の快挙を成し遂げた為、合宿を訪れるOBの数も例年になく多く、その結果時として過度のシゴキが横行していた。副部長の斉藤は、頭から畳に叩きつけられ右肩鎖骨を脱臼し鼻血を流しながら練習を続けられない状態だった。私は肘と膝の皮がめくれ皮膚に入り込んだ皮を爪で掘り起こし、テーピングを巻きながらいつ終わるかわからない立ち稽古を続けていた。右横ではレギュラーの阿部が肋を骨折しボロ雑巾の様に畳に叩きつけられては、立ち上がっていた。皆、理屈抜きで自分たちの限界と向かい合っていた。

 私が人生の節目で困難に立ち向かうと必ず思い浮かぶのが、あの夏の道場だ。自らの肉体と精神をイジメぬいた結果として得たものは、自分自身に対する自信であり、仲間に対する信頼であった。そんな体験をした自分がこんな困難に負ける訳がないという自負心だった。たぶん本当はあの夏より厳しい困難に直面していても、あの夏に勝る困難は今後もないんじゃないかと思っている。そんな原体験をしている人は全てにおいて強いんじゃないかと思う。そして、それは他人には他愛もないものの場合が多い。

 私は学生生活の中で勉学以外に社会に出て一番大切なものをあの夏に学んだような気がする。今の学校教育の中で、何が欠け、何が必要なのか、それは私レベルの人間には到底分かる事ができない。ただ、何事にも真剣に向かい合えば、大人も子供も人として成長していき、人間力を身につける事が出来、それは子供達の魂に刻み込まれるものだという確信はある。逆にダラダラと続けていては自分の壁を破る挑戦を出来ない人間になり、実社会に出ても絶対に次のステージへは行けない事を学んで欲しいと思う。

 最近、多くの若者達と接していて、困難に出会うと尻尾をまいて逃げ出す子供の多さに驚いている。一度逃げる事を覚えた若者は一生逃げ回るはず。又、逃げる子供に限って自分を正当化する術を知っている。これは決して子供だけの問題では無く、学校教育、家庭教育であり、我々大人たちの社会問題である。我々大人達がいかに子供達と真剣に向かい合えるかが一番の課題と痛感する。

 私が柔道を続けられたのは楽しかったからだ。今はそう思う。楽しければ練習の苦しみも克服でき、困難に立ち向かう強い意志を学ぶ事も出来る。そうすれば継続して行く心の力が身につき、困難に打ち勝つ力も付いてくる。暑い夏になると私があの湿った道場を思い出す様に、いつか後輩達が、この学校を自分の場所として思い出す。そんな学校共生(きょういく)を望んでおり、またそんな学校になってくれたら嬉しいと考えているのです。

 そしてそれは、真剣に汗を流した人達だけが持つ事の出来る特権だと言う事を、子供達が我々から感じ、いずれ学びとってほしい願うと共に、私たちは、沢山の感動を経験しいくつもハードルを越え、いつ迄も子供達に共生(きょういく)出来る大人になるべきと思うのです。

Andrew Palmer (English Teacher)
  First of all, let me congratulate you on your graduation. Your hard work has paid off and now an exciting new world awaits you. That being said, a few words of advice.
  When I was still a student, my father often said to me that my most valuable possession was time.
  In our youth, we are still free from the obligations of full-time work, Taking care of a family, or community duties. Thus we can afford the time to try new things, travel to far places, and study at our leisure.
  Of course,We are also free to waste our time! The point is,enjoy your time, whether as a college student or trainee,but also cherish it as you would any expensive gift received.
  Second, I often recall the words of my high school history teacher. He told me and my classmates that as adults,we should regularly read a variety of books. I have realized the wisdom of his advice, for I have become a more knowledgeable and well-rounded person through reading. Therefore I pass on his words to you - “no matter what, read as much as you can !”
  In conclusion, I must tell you it has been both an honor and a pleasure to have taught you these three years. We live in a society that forces young people like yourselves to make important life decisions too early ( in my opinion ) but I hope that you were able to learn things at Daiichi High School that will help you to navigate the possibly filled paths that stretch in front of you.
  Good luck !

平成16年度生徒会長 東川 弘樹(45期 平成17年卒)
 私たちの札幌第一高校での3年間は、沢山の素晴らしい思い出で飾られています。
 1年生、野球部が夢の甲子園に連れて行ってくれました。バドミントン部も春のインターハイ北海道大会、驚きの20連覇を飾ってくれました。2年生、今度はサッカー部が全国高校サッカー選手権で、あこがれの国立競技場に。伝統のスキー部はインターハイで男女アベック優勝。
 3年生、インターハイでスキー部男子回転2位ばかりでなくチアーリーダー部や剣道部女子は社会人を抑えて全道優勝の喜びをくれました。卒業間近のつい最近、剣道部男子も21年ぶりの全道優勝(3度目)の喜びで校内を沸かしてくれました。
 2年生でアメリカからブライアンボードアン君を留学生として迎え、一緒に過ごした7ケ月間も忘れることができません。同じ世代のアメリカ青年の勇気と異文化に向けるしっかりした視線に感動させられました。

 振り返ってこの3年間、同窓会の皆様には機会あるごとに沢山の応援をいただきました。特に一高祭での「三味線演奏」(1年時)、「マジェリティC」ライブ(2年時)、チアーリーダー部やバドミントン部への部旗や応援旗の寄贈(3年時)などは、同窓会の活動を身近に感じさせていただく機会ともなりました。
 私たちの高校生活はもうすぐ終わってしまいます。
 これからは一人の同窓会員として先輩の皆様と一緒に後輩をしっかり応援していく側になっていきたいと思います。これからも今までと変らないご指導をお願いします。
 ありがとうございました。

野球部O.B. 中川 国泰(24期 昭和59年卒)
 昨年の暮れ突然の訃報をお聞きし愕然としました。
 6カ月前に学校でお会いした時は元気にされていたものですから、まさかこのようなことになるとは・・・。お通夜に向かう途中いろいろな事を思い出しました。高校生活の中で一番多く話し、一番多く怒られ、一番多く誉めてくれた先生ですから・・・。
 入学し先生と初めてお会いしたときの第1声、「眉毛を剃るな」、「さしいれるな」でした。
 当時、丸坊主の私にはそれが最大のおしゃれでしたが、「それじゃないとレギュラーにはしない」との一喝。先生に分からないように少しだけ剃るとすぐに油性マジックで剃った部分を黒く塗られ、それで真栄のグランドからバスに乗って帰された事を思い出します。
 毎日の練習は厳しいものでしたが、日曜日や夏休みの練習が終わると球場から36号線の真栄まで先生は車で我々を乗せて何度も何度も往復してくれました。3年最後の夏の大会前に私が肩をこわした時も整骨院へ毎日送迎して頂き、とても心配してくれました。厳しい中にもとてもやさしさを持った先生でした。
 思い出せば数知れずの恩があります。先生は時間の殆どを授業や野球部の活動に費やし、プライベートの時間など全く無い、そんな中でご立派に育ったご子息を拝見しますと、先生の偉大さを改めて感じる事が出来ました。
 今は亡き私の両親が、生前「高校3年間野球部を辞めず最後までやり通すことができ、そして今のおまえがあるのも岡川先生に預けたおかげだ感謝しなくては」と話していたことを思い出します。
 私の人生の基礎となった高校3年間。今後も先生からの教えをしっかり守り一生懸命生きていきたいと思います。
 どうぞやすらかにおやすみ下さい。本当にお世話になりました。

「薫風」札幌第一高等学校同窓会事務局
〒062-0021 札幌市豊平区月寒西1-9-10-15
TEL : 011-851-9361 FAX : 011-851-6728